第14回ハロプロ楽曲大賞'15 >> 個人ページ 毛布

投票者情報


ニックネーム:毛布


楽曲部門


1位 愛おしくってごめんね / カントリー・ガールズ :2.0pts.
  『わかっているのにごめんね』も大好きなのですが、お互いにわかり合えた結末を「めでたし、めでたし」で結んだ同作に対し、その手前で留めた作意に心惹かれました。というのも、決意高く「明日会おう」と胸に誓う主人公は、それでも本心を打ち明けたりはしないと思うのです。核心はその恋人が「新しい靴」をヒントとして見出せるかどうかなのですが、でももし気づいたとして、正直どうでしょう?彼女も会いたかったのだと理解した結果、より理想的な「スケジュール帳作り」が始まってしまう可能性もあります。そんな現実的な結論に至らない《前日》で止まった時間が、楽曲に永遠の幸福感をもたらしています。「明日」になるまでの、今この瞬間の逡巡が愛おしいのです。それは山木梨沙さんが『載せられる画像ないかな』で掲げた一枚の画像のよう。やがて来る悲しい答え合わせを知らぬ顔して、ヒントはどこまでもセンチメンタルで温かいのです。
2位 チクタク 私の旬 / Juice=Juice :2.0pts.
  『チクタク~』の主人公が恋愛のはじまりで意識を巡らせ始めたように、年初静かなスタートを切ったJuice=Juiceは『First Squeeze!』の発売を期に、俄然華やいだ雰囲気を醸すようになりました。徒に過ぎていく時間にストップをかけたのは、歌声の多面性を引き出す難易度を持つ、ワガママで魅力的な楽曲でした。なかでも可愛さ全開のこの曲。主人公をケーキ屋さんに誘ったら「んー、今日はタルトの気分」と言われたときの恋人の表情を想像してしまいます。「えっ…いや、結構似てんじゃん」そうじゃない!パート・シュクレのサクサク感が今日のテーマだと気づいてほしい。元々「お稽古」や「美容院」で自意識高めの彼女が、その感性のまま恋人に向き合うアンバランス描写が絶品なのです。因みに、タルトが愛媛銘菓『一六タルト』だと意味合いがまったく変わってきます。恋人はMATHUYAMA公演の帰路に購入するしかないのです。
3位 大器晩成 / アンジュルム :2.0pts.
  大器晩成。「大変なことも~」と「大器晩成型~」では「タイ」の頭韻が踏まれています。サビの部分では「セイ!」を意識したフレーズが重ねられ、ラストは「大器ヴァン成 大器ヴァーン成」と破裂音がビートに刻み込まれます。「大器」と「待機」といったジャブ打ちのような掛詞はなく、「ひっくり返せ」などの強い表現で豪快に振り回す爽快感がたまりません。こんな古めかしい言葉でこれだけ遊べるのか!本当に感服しました。かつて『ミニモニ。ジャンケンぴょん!』は、グーチョキパーや勝負・運・あいこといった誰しもが思い描く”ジャンケンなるもの”の一歩手前、「そもそも手を使う→旗揚げゲーム」という新機軸を提示しました。いわゆる「ジャンケン」や「大器晩成」を相手にしていては、到底たどり着けない世界です。そして「今 掴みたい」と歌うのが「年齢も年齢なんで…」と感極まったJKというのも、出来すぎなくらい野心的な物語だと思います。
4位 「恋したい新党」 / ハロプロ研修生 :2.0pts.
  「Put your hands in the air/Like you just don't care(思いっきり)/Keep your hands in the air/天高く 上っ 上っ 上っ」「You guys now movin' movin' on じゃなきゃ silly silly Yo!/「待ち」じゃマジで恋は無理無理よ!/知ってるはずでしょ もう その意味を/"you love him"も"he loves you"も」。Rapの耳コピは不完全でも、「もっと上へ、自分から進め」のメッセージは明瞭です。「恋したい新党」の幻影を「むなしくなる議論」と振り払った主人公を演じるのは、夢見た舞台に立ち、そこで自分をさらけ出す試練に立ち向かう研修生たちです。憧れを現実にした者が歌う「救い出してよ」が沁みます。それでも「もっと必要 熱量」と叱咤する声。その声こそハロプロの熱源なのです。
5位 青春小僧が泣いている / モーニング娘。'15 :2.0pts.
  作中の「私」のことが気にかかるのです。「私」は「何度何回もやり直せる」と励ますものの、「"何度何回も"踏ん張るだけ」とは鼓舞しません。「きっと何回も」。教え諭すのではなく、無邪気な応援団でもなく、《絶対に耐えて!》の願いを託します。そんな「私」にできることは「笑ってあげる」こと、そして「代わってあげる」こと。代わる?相手の代わりに夢を叶えることはできません。「最後は君の腕次第」だからです。だとすれば、夢を叶えるために担っていたものを「私」が引き受ける。たとえば歌声を奪われたとき、これまで培った思索や技術・環境が、音楽の新たな愛し方への道標となること。愛情を注いだ家族が、今度は愛情の育みを手助けしてくれること。「いくつになってもWOW青春」(『そうだ! We're ALIVE』)の小僧にエールを送るのが、いつも小僧をくらっとさせてきた「私」だとしたら、常ならむ世も捨てたものではありません。

MV部門


1位 青春小僧が泣いている (Another Ver.) / モーニング娘。'15 :3.0pts.
  
2位 愛おしくってごめんね / カントリー・ガールズ :2.0pts.
  
3位 大器晩成 / アンジュルム :1.0pts.
  

推しメン部門


道重さゆみ