第16回ハロプロ楽曲大賞'17 >> 個人ページ kacra

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ニックネーム:kacra


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楽曲部門


1位 ジェラシー ジェラシー / モーニング娘。'17 :2.5pts.
  加賀楓&横山玲奈加入後初シングル。つんく♂特有の「不安定な心の少女たち」を表現した歌詞の、メンバーの心に寄り添う感じが素敵である。このところのつんく♂作詞作曲のシングル曲ではメッセージ性の強い、深読みしがいのある曲がほとんどだったが、この曲はちょっと笑っちゃうくらいにストレートでとっつきやすさ満点。そんな曲をメンバー達の素直な歌声で紡がれていくのを聞いて、まさに「こういう曲待っていた…」以外の言葉以外見つからない、と言いつつすでに結構な言葉数だが。歌の面で特筆すべきは野中美希のソロパート。籠りがちな声質を、ねちっこい歌い方で補っていくその様は「ジェラシーの塊」そのもの。そして「ジェラジェラジェラっちゃう~」という、これから祭りが始まるのではないかというラップパートもなんか癖になる。これもジェラシーから来る症状と思えば、あながち間違ってはいないのかもしれない。
2位 再生 ~わたしはここにいるわ~ / 道重さゆみ :2.5pts.
  2014年、モーニング娘。卒業時に遺した「道重再生」という言葉は正直なところ「所詮ヲタクに向けたリップサービスだ」と思っていた。それが2017年、こんなにも大きく堂々と輝きを放つことになろうとは。「SAYUMINGLANDOLL~再生~」のテーマソングともいうべきこの曲は、モーニング娘。時代からの「テクノポップ×道重さゆみの歌」の相性の良さはそのままに、これまでより明らかに「強い」歌を聞かせてくれる。勿論、加工された歌ではあるのだが、その「加工というフィルター」を割って出てきそうなほど歌が強くなっている。従来に比べて加工が弱め、ということも考えられるが、間違いないのはこの曲は上っ面な「カワイイ」を越えた人間こそ歌える曲だということである。児玉雨子の歌詞は語感を重視しながらも「歌い心地」が軽すぎないのがいいところなのだが、この曲に関してはそれが最高点に達した印象。
3位 わたしの答え / 道重さゆみ :2pts.
  私は所謂「SAYUMINGLANDOLL~再生~」の公演を見には行っていないので、7月に一般発売されたサウンドトラックで初めてこの曲を聴いた。人の「思い」が軽んじられる世の中で、なにかしらその思いに対する「覚悟」めいたものを公にしなくてはいけない義務みたいなのが出来てしまっている感じがする現在、その「覚悟」を歌ったのがこの曲なのだろうと私は感じた。「解らない」「何もない」…まだどこか不安なままでも、それでも「強くなる」「絶え間なく生きる」と歌うその歌は、若干の加工はされているものの、それでもこれまでの道重さゆみの歌のイメージを大きく覆す、癖のある歌い方をすべて取っ払ったものになっていて新鮮な印象を受けるとともに、驚くほど心に染みわたった。「何もないというすべて~」の「な」の歌い方は特に印象的。それにしても言ってしまえば「劇中歌」でこんな曲に出逢うとは…ただただその奇跡に感謝するしかない。
4位 Goal ~明日はあっちだよ~ / Juice=Juice :1.5pts.
  去年よりライブで披露されていた、爽やかでありながらもエモいロックナンバー。タイトル通り、もがき悩みながらも明日に向かって進んでいこうとする歌詞は実にストレート。ともすればびっくりするほど薄っぺらい曲なのだけど、こういうタイプの曲が無かったJuice=Juiceにしてはかなり新鮮な印象。6月の加入劇でこの曲の「立ち位置」もかなり変わったと感じているが、5人時代は「これまでとこれから」を素直な歌で表現していたのだが、7人になってからは新加入の2人を5人が「アシスト」するような曲に変わったと思う。よくありがちな「加入して歌の印象がダメになった」ということはなく、逆によりこの曲のJuice=Juiceの中での重要性を感じたのである。宮本佳林のロック調、ファンク調の曲でよく聴く少々「ぶっきらぼうな」歌い方、あまり好きではなかったのだが、この曲ではかえってそれが活かされている気がした。
5位 小生意気ガール / カントリー・ガールズ :1.5pts.
  6月のPM・嗣永桃子の芸能界引退、そして事実上の活動縮小に打ちひしがれたヲタク達を(若干)救ってくれたといっても過言ではないだろうこの曲。福田花音の「顔が見えすぎる」タイプの歌詞は、これまでは曲との相性やそもそもの作詞のスキル不足もあってなかなか「強み」を感じなかったのだが、この曲はキャッチーなメロディにも助けられて「強み」がしっかり発揮されているように感じる。「小生意気」を上手に使って彼の気を引こうという、憎たらしいけど憎めない主人公の女性(女の子)の物語を、5人の歌で忠実に再現している。平田祥一郎のアレンジも久々にグッとくる「キングオブポップ」サウンド全開。楽しさと切なさが完全に一体化している音つくりは、曲の物語をより引き立ててくれる。余談だが、私は船木結がこの曲の主人公像にもっとも近いのではと思っている。