第8回アイドル楽曲大賞2019 >> 個人ページ 無敵艦隊

投票者情報


ニックネーム:無敵艦隊


メジャーアイドル楽曲部門


1位 flash / sora tob sakana :3pts.
  オサカナの現在地を語るには最適な一曲。チップチューン風な入り口だが、中盤からのエモーショナルな展開が聴きどころ。アニメとのタイアップだが、フルサイズで聴くとTV Sizeの印象とは全く違うはずだ。容易に失われてしまう青春のきらめき。2度と取り戻せない大事なモノ。だが、当の本人たちはそれらがなくなってしまうことを知らない。オサカナの3人の声はそうした儚く壊れやすい何かを、恐るべき透明度で聴いている私たちに差し出してくれるのだ。この尊さに図らずも涙を浮かべる者がいたとしても私はそれを笑わない。閃光のような一瞬に永遠を見た仲間だと歓迎しよう。
2位 流星の行方 / sora tob sakana :2.5pts.
  壮大な背景を感じさせる一曲。夢を片手に旅立つ者の情熱と希望、そして少なからず胸に迫る別れの悲しみとこれからの不安。それでも出会いを信じて、旅人は明日へと進む。まるで英雄譚の序章を語るかのようなオサカナ3人の歌声が、疾走感と共にある種の信念を帯びた響きでもって私たちを物語へと誘う。目を閉じれば冒険者として異界に立つ自分が見えるだろう。
3位 knock!knock! / sora tob sakana :2pts.
  アルバム「World Fragment Tour」のリードトラックで、アルバム発売前からお披露目されていた。名刺代わりの一曲と言ってもいいだろう。MVでは近未来的な映像と共に宙を飛ぶクジラが登場したりして、オサカナのイメージをうまく表出していた。♫knock! knock!~♪のところの振り付けもかわいらしい。曲の構成も印象的。Aメロ→Bメロときてサビ前に間奏(しかもアラビックなアレンジ)が入ってくる。キャッチーなサビは耳に残るのだが大サビでは、なんとそのサビだったフレーズがコーラスに後退して、Bメロだったフレーズが前面に出てくるというトリッキーな展開に「なんだこりゃ!?」となること間違いナシ。一聴してキャッチーなのに、ちょっと普通じゃない感じがどこから来ているのか分からず、ついつい繰り返し聴いてしまうという中毒性がある。
4位 World Fragment / sora tob sakana :1.5pts.
  歌詞の中で「空を飛ぶ魚」というワードが用いられていることから察するに、プロデューサーの照井から、sora tob sakanaというグループへのメッセージのようにも見える。オサカナを見守り後押しするかのような歌詞はファンの心情と重なるということもあるし、アルバムタイトルと曲名がかぶっていることからも分かるように、このアルバムの根幹、あるいは着地点のような位置付けでもあって、他とは別格と感じられる。実際、照井もこの曲作りにはだいぶ苦戦したと語っていて思い入れもありそうだ。トラックとしては、間奏からCメロ→大サビへと突き抜けていく感じが出色。ファン共々、♫~遠くへ 思いがけない場所へ♪連れていって欲しいと切に願う。
5位 ささやかな祝祭 / sora tob sakana :1pts.
  これまでのオサカナの曲とはやや一線を画すジャージーな雰囲気。色々な音がにぎやかに鳴っている様はさながら町の一角で祝祭が開かれているかのよう。楽しそうに活写される街の様子、代えがたい仲間との絆、冒険の旅のなかのひとときの休息。すべてをギュギュっとまとめ上げたオサカナ3人の声に癒される。♫乾杯をしよう♪のところでは、親指を立てて乾杯する振付になっているのもかわいらしい。LIVEでは観客と共に乾杯!で盛り上がっている。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 Sixteen / 原田珠々華 :3pts.
  ずーちゃんの声が胸に刺さるのはなぜだ。♫私の生きた数は 私の価値数ではないんだ♪というフレーズはガツンとくる。風に吹かれる荒野で一人で立つ姿が見えるだろうか。向かい風に逆らいながら、それでも彼女は歌う。彼女にしか歌えないものを。これほど切実でまっすぐな想いを届けられる才能をしかと見て、聴いて欲しい。
2位 ゆびさきに向日葵 / 開歌-かいか- :2.5pts.
  アイドルネッサンスのDNAは開歌に引き継がれているんだなあって感じがする。古宵ちゃん、ありがとう!曲自体の音数は少ないものの、むしろ個々のボーカルとコーラスが引き立って聴きどころがある。この曲を聴いていると、10代の夏にタイムスリップしたような気分になる。
3位 Hop Step Stand By Me / パンダみっく :2pts.
  パンダみっくの中では最もアイドルらしい?曲ですかね。実にかわいらしい。サビ前の♫~わかりかねる♪のとこが好きなんですよね。紆余曲折あって新体制がスタートしましたが、この曲は続けてやって欲しいなあ。
4位 君のピュアネス / 南端まいな :1.5pts.
  男性目線の曲だと思うのですが意外とマッチしてて、まいなさんの声に少年っぽさがあるんですかね。素直で伸びやかな歌声が軽快に響きます。落ちサビからの♫ありがとう~♪のところは、むしろこちらからまいなさんに言ってあげたい!という気分になります。
5位 卒業少女 -未来絵- / DESURABBITS :1pts.
  卒業シーズンの歌なんですが……。ラウドロック調だとこうなりますね(笑)。激しいロックの曲調にEMIの可憐なボーカルが映えます。デスラビ聴くと90年代半ばのglobeとかを思い出すのは自分だけでしょうか。

アルバム部門


1位 『World Fragment Tour』 / sora tob sakana :5pts.
  世界の断片を切り取ったように散りばめられた曲を通して聴いていると、まるで旅しているかのように感じられた。それはさながら名所巡りのような空間的な意味でもあり、これまでのオサカナの旅路を巡る時間的な意味合いでもある。特に最後の2曲で収束し、そしてまた旅立つという流れは構成としてもよく出来ている。今回のアルバムのコンセプトが、“よりオープンなオサカナの姿”ということでもあったようで、多様な曲を多彩に組み合わせて、新たなオサカナのイメージを展開した作品となった。この点では、外部の作家を採用したことが成功していると思われる。ポストロック的な曲を嗜好していたファンにとっては物足りないと感じる向きもあるかもしれない。しかしながら、いわゆる“楽曲派”と呼ばれるアイドルの一派として閉じた状態でいるよりも、より多くの人に知ってもらうきっかけになる作品にもなったと感じている。
2位 『はじめての青』 / 原田珠々華 :0.5pts.
  アイドルネッサンスというグループは才能の宝庫だったのだなあと改めて思う。まっすぐな声が胸に刺さる。応援したい才能の一人。
3位 『Clarity』 / 南端まいな :0.5pts.
  同じく、アイドルネッサンスというグループの底力を感じさせる。原田とはまた少し違う、伸びやかで柔らかな歌声。こちらも応援したい才能を持つ一人。

推し箱部門


sora tob sakana
  メジャー1stアルバムが出た直後にメンバーの一人が卒業するという怒涛の展開だった2019年、当初の心配をよそにオサカナは更なる進化を遂げている。最年少だった山崎が高校生に、最年長の寺口が高校を卒業したこともあるのか活動も活発に。エース格の神﨑はソロ企画なども挟みつつ元からある音楽的な才能をさらに開花させている。山崎は透明感のある声に元から定評があったが、今年はその声に力強さと自信が感じられるようになって、オサカナのボトムアップの遠因となった。オサカナのジョーカー的な存在の寺口は、独特のトーンの声や佇まいにも大人っぽさが出てきたことでより強力な切り札となりつつある。日に日に3人のベストパフォーマンスが更新されていく様は正に旬と言っていいだろう。何よりも本人たちが活動を楽しんでいる様子が感じられるのがファンとしては嬉しい限りだ。