第9回アイドル楽曲大賞2020 >> 個人ページ chimney.

投票者情報


ニックネーム:chimney.


メジャーアイドル楽曲部門


1位 くもりぎみ / CYNHN :3pts.
  5人の歌唱力が圧倒的な曲。感動的なメロディーに乗って表現力が非常に光っている。サビのユニゾンの部分の一体感が心地よく、ラスサビの爆発力は他のグループには出さないだろう。個々の歌唱力が高いグループはソロパートがいいのにユニゾンがうまくまとまらない、ということが多いが、CYNHNにおいてそのようなことはない。クセのない透き通った美しい声質が多いからこそなせる技である。3分程度の短い曲ではあるが、アイドル楽曲に限らず、今年の音楽業界全体を見ても非常に完成度の高い一曲であることは間違いない。
2位 モラトリアムアクアリウム / meme tokyo. :3pts.
  サイバーパンクな雰囲気漂ようMVが非常に印象的な曲。ディアステージらしいキャッチーなメロディーが耳心地よく、何度も聴きたくなるスルメ曲。メンバーRITOはじめ、全体のパフォーマンスレベルも高く、meme tokyo.の代表曲となり得る曲。韻を踏んだ歌詞がこの曲の聴きやすさに大きな影響を与えていることも重要である。閉塞感のある世界に自分らしくあるために歌う。彼女たちの決意表明のような力強さを感じるエネルギーに溢れた曲である。
3位 ジャンプ / 私立恵比寿中学 :2pts.
  石崎ひゅーいが「第三惑星交響曲」でメジャーデビューした2012年は、私立恵比寿中学が「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューした年である。あの頃、石崎の楽曲を私立恵比寿中学が歌うなどと誰が考えただろうか。この楽曲を歌いこなせるほどに成長した8年を思い返し、感慨深くなる。
4位 ドント・ストップ・ザ・ダンス / フィロソフィーのダンス :1pts.
  さすがの実力者である。日向ハルと奥津マリリに焦点が当てられることが多いが、佐藤まりあ、十束おとはの歌唱力も高く、4人の声質が全く違うことでバランスが保たれているのはグループとしてかなりの強みだと感じる。インディーズ時代の体制から前山田健一プロデュース楽曲に転換したが、本人たちのレベルの高さからしっかりと歌いこなしている。着実に売れてきているのでこのままもっと売れてほしい。ほんとに。
5位 LETTERS / BiSH :1pts.
  新型コロナウイルスの流行によって、当たり前が当たり前でなくなった2020年。当たり前のようにできていたライブはなくなり、アイドルとファンの距離が限りなく遠くなった。そんな中でリリースされた楽曲。どれだけのオタクの心を勇気づけただろうか。「絶対距離は遠くないんだ 今も近くにあるんだ」このフレーズが全てである。もう一度、あの熱狂が帰ってくる日まで、今は絶対に生きよう。人々に生きる希望を与えてこそアイドルである。どこまでも暑く、ダサくてもカッコいい。これだからBiSHは最高だ。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 「 あ る い は 乖 離 す る 」 / NEMURIORCA :3pts.
  不思議と心を掴んで離さない。心から叫ぶような歌声が何度もこの曲を再生させる。「に ん げ ん を す く い た い」というキャッチコピーにしっかりと沿った曲である。救いたい、救えない、もどかしい。それでもやっぱり救いたい。心を締め付けさせる感情が湧く。これだけアップテンポなのに歌詞はどこまでも切ない。「暗い世界 上手く泳げなくて」から始まるサビの歌詞はうまくいかないもどかしさを、うまく表現している。こんな名曲を生み出してくださった萩龍一先生には頭が上がらない。
2位 PIGGS-モナ・リザ- / PIGGS :3pts.
  第1期BiS、第2期BiS、BILLIE IDLE®︎と渡り歩いてきたアイドル界の生きる伝説、プー・ルイの書く言葉だからこそ力を増す。「三度燃やしたギターがきしむ」から始まるプー・ルイの落ちサビは、ファンなら心に熱いものを感じずにはいられない。また、デビュー直後とは思えないほどの全体の歌唱力の高さも注目するべき点である。PIGGSはきっと伝説になる。この曲は新たな伝説のアンセムとなるはずだ。
3位 恋、いちばんめ / ukka :3pts.
  どこか懐かしさ漂ようメロディーに超正統派の歌詞。「これでいいんだよ!」と叫びたくなる名曲。さすがの伸びのある歌声で聴いていてとても心地よい。子供の遊びの「はないちもんめ」をイメージした歌詞は非常に遊び心があり、聴いていてとても楽しい楽曲。「はないちもんめ、あの人がほしいの」の透き通った歌声は歌詞も相まってファンの心を掴むだろう。歌唱力と幼さが共存したukkaだからこそ輝く曲。
4位 Silent Sign / tipToe. :0.5pts.
  元フィッシュライフの林直大作曲。フィッシュライフの楽曲のやんちゃな激しさとtipToe.の透明感というまるで反対の筈の2つのコラボがここまでの名曲を生むとは思わなかった。優等生楽曲がほとんどだったtipToe.が新たな境地を開いた曲だと言える。
5位 Spica / NEO JAPONISM :0.5pts.
  滝沢ひなのの衝撃の歌い出しが鮮烈な曲。爆発力のある歌声でいきなり心を掴まれてしまった。TwitterでMV公開日に向けて何度もツイートをしていたため、非常に楽しみにしていたが、期待に応えるどころか大きく越えてきた。外出自粛が叫ばれる世の中で、閉塞感を吹き飛ばしてくれた。間違いなくこの曲には救われたし勇気をもらった。

アルバム部門


1位 『playlist』 / 私立恵比寿中学 :3pts.
  圧倒的な完成度。さすがというべき。豪華な製作陣の実力にしっかりと応えるパフォーマンスで完成度の高いアルバムとなった。アルバムではアップテンポな曲から始めたいところだが、ミディアムテンポの「ちがうの」から始める辺りが巧者である。そこから「SHAKE! SHAKE.」「愛のレンタル」「ジャンプ」と続けていく流れはもはや完全にアイドルではなくアーティストのそれであり、楽曲派の底力を発揮した。
2位 『N E M U R I O R C A』 / NEMURIORCA :2pts.
  これがファーストアルバムという事実に驚愕する。早くもこれだけの世界観を作り出し、ものにしている。ふわふわと宙に浮いた宇宙船のような、それでも地に足のついた現実がそこにはあり、最初から最後まで紛れもなくNEMURIORCAの世界にいた。13曲通して聴いた時に、途切れる瞬間がない。流れがあまりにも完璧で最後まで聴きたくなるアルバムである。13曲目の「ニンゲンごっこ」で約50分の世界は終わりを告げるが、まだ終わってほしくない思いに駆られる。一貫して「に ん げ ん を す く い た い」というコンセプトに沿った楽曲が並んだ、NEMURIORCAにしか作れないアルバムである。
3位 『LETTERS』 / BiSH :1pts.
  「LETTERS」から始まる今作はもはや世間の人気者となり「アイドル」という枠組みだけでは語り尽くせなくなってしまったBiSHの躍進を象徴するアルバムとなった。「楽器を持たないパンクバンド」だけではない、アーティストとして表現したいものを表現した渾身の意欲作であり、バラエティに富んだ7曲はアーティストとしての6人の成長を示す。

推し箱部門


CYNHN
  2020年最も成長したグループだと思うので。歌唱力を武器に活動するグループは多いが、CYNHNはずば抜けている。今までも「絶交郷愁」や「解けない界面論」など難易度の高い楽曲の多いグループであったが、2020年は「水生」のような正統派から「くもりぎみ」「ごく平凡な青は、」など表現力や全体のレベルの高さが要求される楽曲が目立った。配信ライブでの演出の工夫や、綾瀬志希作のMVや月雲ねるデザインの衣装など楽曲以外の分野でも表現をするメンバーもおり、アーティストとして2021年以降も更なる飛躍が期待できる。CYNHNのような実力のあるグループはもっと評価されるべきであるし、「アイドル」という言葉に抵抗感を示し聴かず辛いをしてしまう人が少しでも減り、才能のあるアーティストが正当に評価される世の中になることを願う。