第10回アイドル楽曲大賞2021 >> 個人ページ aerodynamik

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ニックネーム:aerodynamik


サイト:Aerodynamik - 航空力学


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メジャーアイドル楽曲部門


1位 Chopstick / NiziU :3pts.
  ごくごく短いピアノ曲、1877年Euphemia Allen「The Celebrated Chop Waltz」を下敷きにした、これまたシンプルな構造の楽曲。それをここまでドラマティックに聴かせてくるJYPの若手作家Lee Hae Sol、K-POPの中でも割と保守的な彼の繊細で丁寧な編曲が原曲のコンパクトな優雅さと絶妙にはまった奇跡のよう。「Take a Picture」などEDM的な勢いで押し切るTrippy、餅ゴリを挟んで対照的な二人の関係性まで見えてきそうなNiziUの面白さ。
2位 テレフォニズム (Night Tempo Melting Groove Mix) / フィロソフィーのダンス :2.5pts.
  狭義のシティポップのグルーヴとは相反するサイドチェインとコンプで四つ打ち金太郎飴的なNight Tempoの作風に正直飽き飽きしていたし、日本メディアが彼を扱うときに彼の広義の昭和ポップス愛に対して「シティポップ伝道師」と雑に扱うどうしようもないズレを見るたびに微妙な気持ちにさせられることも多いのだけれど、それはそれ、これはこれ。このリミックス、ワンコーラス終えた所で現れる十束おとはヴォイスのチョップアンドループの気持ちよさにはどうにも抗えない
3位 プライベイト / DIALOGUE+ :2pts.
  UNISON SQUARE GARDEN田淵智也プロデュース、9mmParabellumBullet/フジファブリック/ONIGAWARA/ScoobieDo/パスピエ/THE KEBABS/ヒトリエ/PENGUIN RESEARCHらがアルバムに参加する8人組声優ユニット。この曲はアイマス楽曲をメインに手掛ける睦月周平作曲編曲。作風がない、発注に沿って何でも書く作風とのことだが、スラップベースとストリングスが派手に踊る陽気な90sJ-POPレトロディスコマナーに、今のビートや音色を塗すバランスが絶妙(2バース後からのブリッジへの流れがぞくぞくする)。SMAPへの郷愁ばかりを求めてもしょうがないけれど、キラキラ王子様とK-POP踏襲が幅を利かすジャニーズ若手グループにも、またこんなにも明るいディスコポップを歌ってほしくなるほどの胸騒ぎ。
4位 ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス / 上白石萌音 :1.5pts.
  上白石萌音カバー集、第一弾の70 年代に続いて第二弾の80~90年代編に収録されたスターダスト☆レビュー1982年の賑やかブギーな名曲は、大橋トリオの編曲で寒い冬にはお家で温かいシチューを召し上がれ的な温かさに。優しさ、透明感、輪郭の曖昧さなどの上白石姉の声の特徴を淡々とトラックにフィットさせていく職人技。
5位 SEE THE LIGHT / lyrical school :1pts.
  現体制アルバム3部作のラストを飾る、泉水マサチェリーと大久保潤也(アナ)によるゴスペルやフィラデルフィアソウルの魂を受け継ぐ大きな愛の歌。一つ前のシューゲイザー曲「Curtain Fall」がタイトル通りに3部作の終幕であるならば、これは夜更けにスニーカーに紐を結び直してまた旅に出るための序曲。優しく静かで小さな夜を見つめ、Chance The Rapperの名作Donnie Trumpet & The Social Experiment「Sunday Candy」をリスペクトした中盤からのJuke/Footworkビート展開とともに、朝日と共に世界を照らす新しい旅が再び始まる。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 New Chapter / YORUWA KOREKARA :3pts.
  アンダーグラウンドなデトロイトハウスパーティーのセカンドフロアで朝4時くらいに流れるディープテック、すっかすかの808ビートと打ち寄せるベースラインに押し流されるように、朦朧とした意識のまま酔い踊り疲れた身体を揺らす、時折入る鋭角なクラップで不意に目が覚める、頭の上をミラーボールの光がゆっくりと泳いでゆく、一音一音が磨き抜かれたダンスフロアのためのストイックさ、全てが神々しい、この一年間完全に足が遠のいてしまったあの世界はまだ存在しているのだろうか


2位 Go Forward / MIC RAW RUGA(laboratory) :2.5pts.
  「MIC RAW RUGA(laboratory)」名義では最後の楽曲になるのだろうか。声無きフロアを蹂躙するガバキックとサイレン、溜めて溜めての嵐のような四つ打ち20秒。とにかく明るいダンスマシーンAKIRAの加入によって実現したこの暴力的なほどに美しい楽曲とダンスパフォーマンス、鞘師加入とともにEDM&フォーメーションに舵が切られたあの瞬間の革命への興奮を想起させる
3位 鼓動 / femme fatale :2pts.
  センチメンタルなエレポップから一転、ケンモチヒデフミのゴージャスなトラックと全く掴み所のないリリックの迷宮へ。戦慄かなの/頓知気さきな姉妹の非実在的・超現実感とここまで共振することに震えがくる、「すー すはすー すはすはすはすー 急上昇する脈拍数」「ゆらりゆられ呉越同舟 金毘羅船船しゅらしゅしゅしゅ」の語感。そして必要だと思えば躊躇なく音楽にも映像にも巨額を投資する戦慄かなののビジネス的采配。見てはいけない、触れてはいけない、破滅の入り口、ファムファタルの危うさを眩いまでに昇華させた傑作。
4位 抱えきれないわ / SAKA-SAMA :1.5pts.
  電影と少年CQ「Nov.Ultra」と同じ、今年最もエモーショナルな組み合わせ、mekakushe作詞作曲/Kabanagu編曲。「かなしみばかりに もう疲れてしまった」、分かっていても口に出した途端に涙が止まらなくなる、自分の感情を押し殺して目を背けている間に猫背の背中と屈んだ胸に積もり積もった重たい気持ちが満開の桜の前で溢れ出す、何回観ても何回聴いても泣いてしまう、18歳の自分に届けたい
5位 わたし、恋始めたってよ! / ばってん少女隊 :1pts.
  「OiSa」を書いたASPARAGUS渡邊忍が再び提供したのはリキッドファンク歌謡。今回も派手好き酒好き修羅の国福岡の先入観を裏切って、繊細で瑞々しく凛として。無機質一歩手前の切なさ優しさ、淡々と脚韻で紡がれる歌詞、スピリチュアルな壱岐島MVも含めて一つの美学。

アルバム部門


1位 『Do The Right Thing』 / O'CHAWANZ :3pts.
  2019年クリスマスのクラファンから始まったO'CHAWANZのLo-Fi HIP-HOP JOURNEYプロジェクトは無事2月のasiaワンマン「Do the right thing」で無事完遂、そして会社帰りチル&リラクシン「MellowMadness」から一転、声を失ったダンスフロアを勇気付けるパーティーラップ三昧となったアルバム「Do the right thing」。O’CHAWANZの肌感覚と目線の優しさ。
2位 『君が一番かっこいいじゃん』 / SAKA-SAMA :2pts.
  オルタナであろうがハウスであろうがとにかく生命の樹というかプリミティヴな生命力に溢れていて、現行衣装もインド寄りアジアの祝祭みがあるし、「生きてるだけでもう祝祭!」のような大地の母のような凄いグループです
3位 『kanosare』 / カノサレ :1pts.
  インスタントシトロンの松尾宗能プロデュース、インスタントシトロン「Still be shine」のカバーも。失くしたものはここにある、いつでもここへ戻ってこれる、エヴァーグリーンポップスの桃源郷

推し箱部門


Perfume