第7回アイドル楽曲大賞2018 >> 個人ページ チェる・ゲバラ

投票者情報


ニックネーム:チェる・ゲバラ


メジャーアイドル楽曲部門


1位 はりぼて / CYNHN :2pts.
  
楽曲自体の良さは勿論として、まずなにより『曲が歌い手に似合っている』という感想が先に出る。
総じて上手い個性豊かな6人のボーカルに介在し、誰一人としてその魅力を殺すことなく調和を以て成立させている事が素晴らしい。
およそ歌手の技量が追いついていない高度な楽曲や、逆に歌い手の魅力を引き出すに足りない不似合いな楽曲との組み合わせは今まで少なからず見てきたが、こんなに歌い手に『ハマっている』楽曲はそう聞いたことがない。
人の前に出ず、かといって後にも遅れず、ただ力強くこの時の6人の隣に並び立っているような等身大のスケール感と、これからグループが大きくなっていくにつれて一緒に歩を進めて成長していけるような壮大な伸びしろを感じる曲だった。
2位 overture / 虹のコンキスタドール :2pts.
  
「overtureが好きになれないグループにはそもそもの感性が合わないのでハマりづらい」という自論がある。
逆に言えばほぼ毎回流すovertureには、グループのカラーやセンスが集約され、名実ともに名刺替わりになるものだと思っている。
こと良曲揃いの虹コンに関して危惧されるのは、逆にそんな名刺が楽曲群の濃さに埋もれることだが、そんな心配は一切いらないほどこのovertureが素晴らしい。
黄金期ハロプロを見て育った世代としてダンス☆マンの作る音には無条件で体が反応してしまうし、この曲をバックに大勢のメンバーが舞台に上がる様は壮観の一言に尽きる。
全体的に好きな虹コン楽曲を代表して投じる意味での一票。
最高に華麗な48秒の宣戦布告。
3位 Hello No Buddy / callme :2pts.
  
コンテンツが増えるにしたがい出会い頭の数秒で興味を引ける「点」のアプローチに時代が偏っていく一方で、対局にある「線」のアプローチが日増しに廃れていくように思う昨今。
ベテランかつトータルセルフプロデュースという要素に裏付けされた作品への自信があるからこそ生まれる落ち着きや、「間」を聞かせることのできる余裕に一筋縄じゃない凄味を感じる。
美しい音楽性とほのかな逡巡を感じる歌詞との対比が絶妙で、冬にこそ聞きたい良曲。
4位 言選り / Maison book girl :2pts.
  
点はいくつ打つと線になるのか。
線はどう伸びてどう曲がれば文字になるのか。
文字はどう連なれば文になるのか。
文はどう組み合わせれば詩になるのか…etc
変拍子の中に単発の効果音を詰め込んだ緻密な点描画のようなこの曲を聞きながらそんな事を考えました。
スッキリしたタイトルにも「人が言葉を選ぶ」事と、「口にする言葉が今後形成される人間性を選び取っていく」という二重の意味を感じました。
AIが主に作詞を担当している事も近未来的なエッセンスを添えていて好きです。
5位 卒業ラブテイスティ / たこやきレインボー :2pts.
  
プレイヤーメインの時代から更に進化した今の大塚愛を感じられる名曲。
派手さやギミックに頼らない穏やかな抑揚の中に『女子目線のカワイさ』が詰まっている気がする。「メロウ」や「エモい」の三文字で雑に片付けず黙って正座して聞け全日本男子!

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 ピアノ / クマリデパート :2pts.
  
綺麗さと可愛さが調和したオシャレな曲調と、猫を中心とした短編小説のような歌詞が大好きな一曲です。
歌詞中に出てくる「ぼく」の年齢を何歳に設定して見るかで話の見え方が変わってくるし、歌うメンバーの成長につれて雰囲気の変わっていく『生きた楽曲』だと思います。
2位 売れたいカプリッチョ / 劇場版ゴキゲン帝国 :2pts.
  
生々しさギネス級。
アイドルやファンにとって希望であり絶望である唯一無二の至上命題『売れたい』の四文字をここまでアグレッシブに連呼できる強さを持った曲は他所じゃまず聞けない。
ストイックさや反骨心が重くなり過ぎないギリギリのラインでネタ要素を混ぜてひたすら直接的に『アイドルのこと』ひいては『人間のこと』を歌っているので、抽象的に世界平和とかをぼんやり歌っている曲と違って耳目を反らす隙がない。
メンバーの脱加入が激しいゴキ帝が似た状況の他グループと違ってファンの信頼が途切れないのは、この曲に込められているような一貫したスタイルや精神性の存在がしっかり共有されているからだと思う。
仮に時代や環境がどう変わっても、推しが言う「売れたい」の四文字はファンにとっての希望だし、これからもそうあり続けて欲しいと改めて思える一曲。
3位 ハローニュージェネレーション / CY8ER :2pts.
  
『不穏』をデコレーションしてここまで『ポップ』に仕上げられるバランス感が最高。
さじ加減を間違えるとどこにでもある病み系・メンヘラ系に終始してしまいそうなところを、音や進行で曲に表情を付けて丁度いいミステリアス具合に保ってる辺りにゆのみさんの引き出しの多さを思い知る。
可愛らしいボーカルで進むAメロBメロを経てたどり着くバキバキにダンスミュージックなサビという構成に、表面的な態度から始まって次第に本性を見せていく人間的な怖さがそのまま模されているように感じた。
4位 天使かよ。 / アリエルプロジェクト :2pts.
  
今や推しメンは世界に作る時代です。
聞けば分かる聞かなきゃ一生分からない枠最右翼の香港アイドル・アリエルプロジェクト。
アイドル・天使・MIXの概念は世界共通言語と教えてくれた神の一曲。
聞いてみな、飛ぶぞ。
5位 常夏(ナッツ)リターン / lyrical school :2pts.
  
夏のリリスクはやっぱり強い。
もはや良い悪いを論じる以前に「海、花火、かき氷」に並ぶ夏の風物詩になりつつある気がする。
個人で熱上げて追ってなくてもリリース時期には絶対周囲で話題になるので、新体制になってからも相変わらず「絶対的ハイセンスの国」というイメージ。
この曲についても、作り手からしたら嫌でも肩に力入りそうなアルバムのリードトラックをこれだけユルく仕上げられる辺りがやっぱり凄い。

アルバム部門


1位 『yume』 / Maison book girl :2pts.
  
サブスク系の音楽配信が主流になった今、誰もが気になった曲を好きな順に聞ける環境が整ってもなお、アルバム全体として一つの作品に仕上げようとし続けるクリエイティブな姿勢がまず好きになれた。
各skitの導入を得た既存曲はシングルリリースされた際に単独で聞いた印象とは微妙に違う色味を残し、あっさりと発表された追加曲はそのどれもが鋭敏な感性が溢れた良曲揃い。
曲を聞くだけでなく文字情報から隠されたメッセージを想像するなど、受け手側に多面的な楽しみ方を提供してくれるエンタメ性に富んだ傑作。
2位 『everything is practice』 / uijin :2pts.
  
『威勢が良い』の一言に尽きる。
立ち上がりの良い疾走感のあるサウンドに乗せた、メンバー自らが手掛ける媚びず、守らず、カッコつけすぎずの絶妙な歌詞が心地いい。
グループのコンセプトである「NEO TOKYO」の通り、近未来を感じさせるロックテイストの中に上手く織り込まれた「和」のエッセンスが最高のスパイスとなって曲を引き立てる。
全7曲をノンストップで走り抜ける爽快感ある一枚。
3位 『クマリデパート2』 / クマリデパート :2pts.
  
全体的に多幸感の強い曲構成ながら、グループ的には転換点ともいえる一枚になった印象。
トータルで可愛い楽曲が多いからこそ、合間合間に差し込まれる「あいろにー」や「ピアノ」等の少しカラーの違う楽曲のスタイリッシュさがより一層際立つ。
ポップな遊び心に溢れつつ、どこか憂いも垣間見える表情の多い良いアルバム。

推し箱部門


クマリデパート
  小田ちゃんは人生。